津の国とは、摂津国の古称であり、枕詞まくらことば【つのくにの】は、摂津の国にある地名と同類音の「なには」「なかず」「こや」「ながらへ」「みつ」などにかかります。

神戸市の布引三十六歌碑

津のくにの
生田の川の
水上は 今こそ見つれ
布引の滝

慶応年間の玉垣

当塾の屋号「津ノ国屋」の由来となる、かつての津国屋つのくにや(塩田家)は、江戸時代から明治にかけての高松藩で、製糖商や両替商(のちの高松銀行、大正時代に合併して現在の百十四銀行)などを営む商家でした。創業年は不明で、公式に確認できる最古の記録は、安永五年(1776年)となっています。

大正時代の百十四銀行本店

弘化年間の津国屋本店(中央下部)

昭和初期の百十四銀行本店と塩田家(右最上部)


塩田家の家紋であるえびす紋は、商家に伝わる古来のえびす信仰によるものです。学業成就や合格祈願、家内安全などでも知られています。